高齢化の進展や生活習慣の変化などによって、慢性疾患をもつ人が増えています。また、これまでは治療が難しかった病気でも、病気の解明や新薬の開発が進むことで、医療を受けながら社会生活を営んでいける人も増えてきています。
治らない、もしくは治りにくい病気になると、痛みや発熱、疲れやすいなどの症状に悩まされるだけでなく、仕事や家事を続けられなくなったり、将来への不安を感じたりと、日常生活にさまざまな影響が出てきます。しかし、医療の進歩に比較すると、日常生活で困っていることに対する支援は遅れがちです。こうした現状にあって、医療のさらなる進歩が求められるのは当然のことですが、それと同時に、医療によって生命を救われた人のその後の社会生活を支える取り組みこそ、強く進めていかなければいけないと考えています。
慢性疾患セルフマネジメントプログラム(CDSMP)は、慢性疾患をもつ人が自ら立ち上がり、自信と技術を持って生きていくことを支援するプログラムです。私たちは、2005年からCDSMPを日本に導入し、慢性疾患をもって生きる人たちの支援活動を続けてきました。
病気によって生じる問題には、一時の治療だけでは解決できないことがたくさんあって、ひとりでがんばり続けるのはとても大変なことです。
私たちは、CDSMPを通じて、病気とともに生きる人が意欲と希望をもって人生を楽しんでいけるよう、みなさんとともに歩んでいきます。
理事長岡谷恵子