調査研究

スタンフォード大学Lorig.KRらの調査結果(2001年)から

研究のタイトル

Chronic Disease Self-Management Program: 2-Year Health Status and Health Care Utilization Outcomes
(慢性疾患セルフマネジメントプログラム:受講2年後の健康状態と医療サービス利用に対する効果)

研究目的

様々な慢性疾患を持った人を対象にした慢性疾患セルフマネジメントプログラムの受講2年後の効果を評価すること。

対象者:

研究の対象者は、40歳以上の肺疾患、心疾患、脳卒中、慢性関節炎を持つ831人。このうち、82%(683名)の対象者から1年後の調査への回答が得られ、76%(533名)の対象者から2年後の調査への回答が得られた。

研究方法

●プログラム参加前と2年後のデータを比較してプログラムの長期的な効果を評価した。効果指標は健康状態(健康状態の自己評価、障害の程度、社会/役割活動、活力、健康上の悩み)、 医療サービス利用(過去6ヶ月間の受診/救急受診回数、入院回数、入院日数)、および自己効力感を用いた。

●効果指標の妥当性と信頼性に関してはスタンフォード大学医学部患者教育研究センターのウェブサイト( http://patienteducation.stanford.edu/research/ )を参照。

研究結果

●プログラム参加前と2年後のデータを比較すると、救急外来/外来受診回数と健康上の悩みは減少し(p<0.05)、自己効力感は上昇していた(p<0.05)。これらの2年間の変化の度合いは、プログラム参加前から1年後の1年間の変化の度合いと同様であった。その他の効果指標に関しては統計学的な有意差は認められなかった。

●特に注目すべきことは、最初の1年間に障害の程度が悪化しているにもかかわらず、健康状態のすべての指標において維持または改善しており、外来受診の回数が減少していたということである。

結論

セルフマネジメントを奨励する低コストのプログラムによって様々な慢性疾患を持つ人たちの健康状態を増進し医療ケアの費用を下げることができたと言える。

出典

Medical Care, 39(11),1217-1223, November 2001. LorigKR, Ritter PL, Stewart AL, SobelDS, Brown BW, BanduraA, GonzálezVM, Laurent DD, Holman HR. Chronic Disease Self-Management Program: 2-Year Health Status and Health Care Utilization Outcomes.

※PDF版はこちら->LorigKR_2001.pdf

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